帽子屋さんが用事で席を外している間、暇だったあたしとアリスはバーである本を見つけた。
それを見ながら、あーでもないこーでもないと何気ない話をしていたんだけど、ひとつ気になったことがあって…二人で見つけた料理の本、を広げて話し合った。
「いや、やっぱそこは炒めるべきだろ」
「でも、最初に湯掻いて臭みをとらないと…」
「あーそうだな。なんとなく、匂いキツそうだもんな」
ぱらり…とページを捲ると、肉の下処理の方法が書いてあった。
「しょうがとかネギとか入れたほうがいいのかな?」
「ついでにニンニクとかもいれたらどうだ?」
「それじゃあ下ごしらえじゃなくて、スープになってるじゃん」
「何言ってんだよ。ここにもあるだろ、ニンニクは臭み消しになるって」
するとそこへ、眠そうにあくびをしながらある人がやって来た。
「お、なんだ。アリスに、仲良く料理談議か?」
「あ、眠りネズミさん」
「よー万年眠りっぱなし男」
「…本当に、口が悪いアリスだな」
あたしの隣に座り、キープしていたボトルを受取った眠りネズミさんが開いていたシチューのページを見て、尋ねてきた。
「んで、何作ろうとしてんだ」
「あ、ううん。作るんじゃなくて、どう調理したらいいかなぁって…」
「調理って…?」
「「「ネズミの調理法」」」
アリスと声を揃えるつもりはなかったけれど、見事に被った。
…その声に、もうひとつ重なっていた気がして振り向いたけど、背後には誰もいない。
「あれ、今、声ひとつ多くなかった?」
「……気にすんな」
「う、うん…」
「はぁ…チェシャ猫、か。ま、がんばれ…」
「おうっ!」
全く興味なさそうな眠りネズミさんと、やる気満々のアリス。
でも、どこか眠りネズミさんが落ち着きない様子だったのは、どうしてかな?
チェシャ猫さんが、どーやったら眠りネズミを美味しく食べられるか…というネタを落としてくれました。
アリスさんは眠りネズミは食べるつもりはないけど、ネズミはどうなのか、と思いました。
きっと帽子屋さんの家を掃除すると、出るんでしょう…ちゅーちゅーと(嘘(笑))
なのでヒロインを巻き込んでの、料理談議となったわけです。
猫ちゃんはグルメなはずなので、ネズミは食べないと思います。
一番の好物は綺麗なおねーさ…げほほ…(笑)
日記では会話だけだったので、それを生かしつつのリメイクです。